2024/10/15 20:50
こんにちは、多田です。 めっきり朝夕は涼しくなってきましたね。 昼はまだ汗ばむような陽気の日もあり、何を着たら良いかわからない、そんな毎日です。 このシーズンになると、 【起毛リネンは今から販売されますか?】 【ウールリネンの生地はお取り扱いありますか?】 といったお問い合わせを毎年のように頂きます。 ただ、最近は生産もお取り扱いをしておりません。 お店をオープンした当初は起毛リネンも、ウールリネンも販売しておりました。 しかし、いかんせんまだ会社を作って3年目の超弱小。 シーズン制が強い商品はどうしても在庫溢れ負担となり、つまりは資金繰りを圧迫します。 当面は顧客さまからの特注生地や、リネン100%の生産に特化していく所存です。 財務の面で、最近は痛感させられる出来事がありました。 と言いますのも、とある同業他社様が定番リネンの生地から撤退する、そんな動きがあったからです。 その会社は多くの生地の小売店様にリネンを卸しておりました。 おそらく小売店にリネンを卸す会社としては1番の生産量。 ではなぜ看板商品のリネンを廃番にするのか、 それはシンプルな理由で、【販売しても儲からないから】だと思われます。 物量が多く、多くの販売先に売れているため、生産コストがアップしても値上げをすることに躊躇し、値上げができず、やむを得ず、価格を維持して売っていたことにより、昨今の為替の値動きを始めとするコスト増に耐えれなくなった、そう思っています。 追い討ちをかけるかのように、今年は特に麻の原料の品質が良くない傾向にあります。 値段が安い粗悪な原料は特に、です。 生地を納めたものの、品質不良で小売店様からの返品もたくさんあったと聞きます。 そうなると負の連鎖です。 最近思うこと、それは 【品質の信頼のおける仕入れ先様から、信頼できるお客様に適正な価格で提供する】 わかっているつもりでも、売上欲しさのあまり、なかなか実行できることではありません。 ただ、どこかの業者が泣くということは長期的で健全性は無いですし、決して望まれることではありません。 勇気を持って価値のある商品には相応の適正な価格をつける。それを生産者にも還元していく。 とは言うものの、価格を上げて売れなくなってしまっては意味をなさないので、提供する中で価値を伝える努力をする、 自分自身、とても苦手な部分ではありますが、少しずつリネンの魅力を正しく伝えていかないと、そう強く思っています。