2022/09/27 23:22
みなさまこんばんは。
株式会社リネンラボラトリーの多田和弘です。
今日は生地の価格のことについて。
触れたくない話題、でも触れなきゃいけない(笑)。
【はたして今の日本で売っているリネンの生地の価格は高いのか?】
僕は決してそうとも言えないのではないかと思ったりもしています。
というのも、、
近年の日本は夏になると気温の上昇による猛暑日の発生や豪雨、大型の台風などに襲われる事が度々あります。これにより大きな被害を受けていますが、どれも気候変動により発生しているとされている気象災害です。
これは日本だけに限ったことではないようです。
ヨーロッパでも温暖化や気象災害は深刻な問題となっており、麻原料の不作を招いています。
つまり需要はあるが供給が不十分になっているんですね。結果、高値で取引がされるという構図になっています。
先日、中国に住んでいる友人が話していました。
『今、中国ではお金のあるリネン関係者が先物買いをしていく、といっても原料すら手元に無いのにどんどん先の糸を予約していく。投資のやり方だ。』
一般的には、原料はヨーロッパが中心ですが、糸にする紡績の工程は大半が中国で行われています。
ヨーロッパや日本では紡績設備はほぼ無いので、リネンの糸は中国に頼っているのが現状です。
その中国ではリネンは投資対象にすらなっている。
これからもっとリネンは貴重なもの、今より高価なものになるかもしれない。
つまり今のリネンの価格が安いと感じる将来が来るかもしれない、ということです。
ちなみに、先日、機屋の方から聞いたのですが、
『今から30年ほど前は今よりリネンはもっと高値で売られていたよ、今の価格の1.2~1.3倍くらいだったと思う。ユ〇クロとかが出てきてから価格がおかしくなっちゃったけど。』
と仰っていました。
今の価格が高いのか、安いのか、感じ方は人それぞれですが、歴史や世界情勢の事にも目を向けると、今、自分の手元にあるリネンがとても尊く、大切に人に伝えていかないといけない、そんな気持ちにさせられます。